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2019年4月11日(木)

2019年度 年頭にあたって

暖かな春の陽射しに包まれ、新年度が始まりました。ピンクや黄色の柔らかな春色に彩られた花々が目を楽しませてくれます。4月は出会いの季節でもあります。新しい子どもたちや新しい仲間との出会いに、期待と不安で胸をドキドキさせている人も多いのではないでしょうか。今年が実りある1年になるように、仲間と共に歩みを進めていきましょう。

昨年は子どもが虐待により命を奪われるという悲しい事件が起き、ニュースでも大きく取り上げられました。日本の中でも格差が広がり、貧困、暴力、虐待、いじめ等、子どもの命や人権が脅かされています。私たちは、学校や社会を、競争や、管理、ストレスから解放し、子どもたちが安心して学び、生活できるためにどうしたらいいのか真剣に考え、とりくまなければなりません。

学校現場における長時間労働が注目されるようになり、東京都教育委員会が「学校における働き方改革推進プラン」を策定してから1年たちました。今年の2月には「学校における働き方改革の成果と今後の展開」が発表されましたが、部活指導員や、スクールサポートスタッフ、副校長補佐の非常勤配置などの実施校ではそれなりに効果が出ているようです。以前はほとんどされていなかったICTの活用やタイムカードによる出退勤時刻の客観的把握の導入も、少しずつではありますが進んでいます。「給特法」があるために、「定額働かせ放題」を続けさせられ、多くの教職員が過労死ラインを超えている現状は問題であるという認識が広がりつつあります。少し前までは、教職員自身が「ただ働きをさせられている」ということを自覚せずに長時間労働に追い込まれていましたが、「こんな働かされ方はおかしい」と周知されるようになったことは、私たち教職員組合のとりくみの成果だと言えます。

しかし「勤務時間内で仕事が終わるようになった」「仕事量が減った」などの声は全く聞こえてきません。教職員が担わされている仕事はあまりにも多岐に渡っていて、新しい仕事が次々増えているにも関わらず、今までやっていた仕事が減ることはないからです。

東京教組で行っている青年教職員アンケートの結果で気になることがあります。退職まで教員を続けようと思っている人の割合が大きく減っていることと、「(ブラック企業を超えている実態に)教員をやめようと思っている」という意見があったことです。実際、教員採用試験の受験者は年々減少しています。学校の働き方が変わらなければ、この状況が変わることもないでしょう。今後も人を増やし、仕事を減らすよう求め、安心して働ける学校にしていきましょう。

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