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2015年11月1日(日)

都側が、人事委員会勧告を受けて提案!

都労連は、10月28日15時より専門委員会交渉を、引き続いて小委員会交渉を行い、都側から、①「勤勉手当の成績率の見直しについて(案)」②「級格付者の給料の取扱いについて(案)」③「勤務時間制度の見直しについて(案)」④「元気回復行事への参加に伴う職務専念義務免除の取扱いについて(案)」⑤「給料の調整額(学校職員)の見直しについて(案)」の5点にわたる提案がありました。
都側は、見直し案の説明で、①成績率原資を、従来の月数からパーセンテージに改め、全職 員一律8%とする、②級格付者について、現給の同額又は直近上位となる、格付前の級の該当 号給(現給が格付前の級の最高号給給料月額を超える場合は最高号給)に切り替える、③「育 児又は介護を理由とする時差勤務」導入職場の全職員対象に現行の時差勤務を拡大する、④元 気回復行事への参加職免を給与減額免除対象から除外する、⑤学校職員の給料の調整額の引下 げを行いたいとしました。そして、職員の勤務条件を取り巻く厳しい状況下において、見直し 案を一体的に解決し、自らを律する姿勢を具体の行動で示すことにより、都民の理解と納得を 得ることが必要不可欠との認識を示しました。
これに対して都労連は、冒頭、都側の5提案には全面的に反対であることを表明し、都労連 要求や主張を拒んだ提案の白紙撤回を強く求めました。その上で、①成績率の査定幅拡大提案 は、最上位・上位への加算増大と集中で給与格差が拡大し、競争主義に拍車をかけ激化させる ことで職員のモラールダウンを来すことは明らか、査定幅を国等と同程度にする必然性も理由 や根拠もない、②級格付者の降格提案などもってのほか、労使合意を覆し信義則を踏みにじる もの、降格後の最高号給止まりの級格付者の給料月額を無理やり引き下げ、長年の仕事への貢 献と誇りをないがしろにするもの、③勤務時間見直し提案は拙速、全職員を対象に理由を問わ ず時差勤務を拡大する提案により、職場に混乱を来すのであれば認められない、④元気回復行事は、十二分に厳格化された運用状況であり見直しの必要は一切ない、⑤給料の調整額見直し 提案は、安易に国に追随することは許されない、関係単組と任命権者との十分な労使協議の時間保障を求めるなど、厳しく反論し提案撤回を迫りました。最後に、重要なのは労使が真摯に交渉を行い合意に至ることができるかどうかにほかならないとし、自らの主張に固執する態度 を直ちに改め、都労連要求の労使協議を優先的に行い、その実現を決断すべきであり、そうで ないのであれば、課題解決を図ることは困難だと強く迫りました。

拠出割合は、現在の4.4倍にも拡大!あまりに理不尽な提案に怒りを!

「成績率の査定幅の拡大」は、東京都人事委員会が第三者機関としての役割を放棄し、勧告の中で「査定幅の拡大」に言及したため、都側が、これを提案してくることは必至の状況でした。今回の提案は、現在主幹教諭・指導教諭(4級)が年間0.05月(再任用0.02月)、主任教諭・教諭が年間0.03月(再任用0.01月)となっている拠出割合を、月数でなくパーセンテージに変えた上で、現職も再任用も、職務の級に関係なく勤勉手当の8%とするというものです。これは、定年前の一般職で、4.4倍、再任用では、6.8倍に拡大するというあまりに理不尽な提案となっています。これでは、勧告された、0.1月の引き上げ分もすべて「拠出」することになってしまいます。職員のモチベーションは、著しく低下することは必至です。 国庫負担金の減額を理由に、「給料の調整額」の減額も提案 都教委は、都労連への提案を受けて、10月29日東京教組をはじめ教育関係組合に対し、「給料の調整額の減額」を提案してきました。
減額幅は次の通りです。
①特別支援学校に勤務する教育職員
職務の級  現行   改定案  増減
1級   14000円 11600円 △2800円
2級   17900円 14300円 △3600円
3級   18400円 14800円 △3600円
4級   18900円 15100円 △3800円
②特別支援学級の授業を担当する教育職員
職務の級  現行   改定案  増減
1級   9700円  7800円 △1900円
2級   13300円 10700円 △2600円
3級   13700円 11000円 △2700円
4級   14000円 11200円 △2800円
給料の調整額は、特別支援学校に勤務する教員と特別支援学級の授業を担当する教員に、「職務の複雑性・困難性に基づいて支給される」ものですが、都教委は、国庫負担金が、3.57%から3%に切り下げられたことを理由に、削減を提案してきました。「職務の複雑性や困難性」には何ら変わりがないばかりか、来年度から順次「情緒障害等通級指導学級」を「特別支援教室」に変更することになっており、通級学級の担任の業務は、著しく増えることが予想されます。それにもかかわらず、「給料の調整額」の減額を提案することは、政策の整合性を欠くといわざるを得ません。一方的な減額には断固反対します。
学校現場では、「絵に描いた餅」の時差勤務制度を提案! 今回提案された「勤務時間の見直し(案)」は、「育児又は、介護を理由とする時差勤務制度」により設定している勤務時間の割振りを、「新たに正規の勤務時間の割振りとして設定する」「制度の導入により、育児又は介護を理由とする時差勤務制度は廃止する」というものです。つまり、「育児又は介護」等の理由がなくても、本人の申し出により、30分または60分、前にずれた勤務時間の割振りで勤務することが可能というものです。この提案に対し都労連は、「対象となる職場の実態を十分考慮したものかどうかも問題とせざるを得ません。」と述べていますが、学校現場にこうした時差勤務が導入された場合、混乱を招くことは明らかです。

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