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2016年7月13日(水)

 2017年度  教育予算要求書を提出

 

7月12日、2017年度の教育予算についての要請を行いました。

はじめに副委員長が、要請書の手交を行いました。次に書記次長が重点要求を中心に要求内容について説明しました。

最後に勤労課長から、「都財政においては、都税収入は堅調に推移し景気は緩やかな回復傾向にあるが、中国をはじめとする経済情勢が混迷する中、平成28年度の地方法人課税の不合理な改革もあり都財政の先行きは依然予断を許す状況にない。副知事依命通達においては引き続き不断の見直しを行い事業の見直し改正をはかっていくことが求められている。都教育委員会においては予算編成にあたり内部努力をより一層徹底するとともに一つひとつの施策の効率性や実効性を向上させる取り組みによって不断に自己改革を推し進めていく必要がある。その上で次世代を担う子どもたちを育成する武に必要な教育予算の確保に努めていく。要請の内容は関係各部署に伝える」との回答がありました。

要求内容は、以下の通りです。

Ⅰ 学級編制に関して

1. 継続的・計画的な35人学級の進行による小学校・中学校全学年での35人学級の実現を国に強くはたらきかけること。また、小学校3年生についても、都独自の予算で35人学級を実施すること。(重点)

  1. 35人学級の実施に伴い、学級編制の最低人数を20人から18人に引き下げること。
  2. 3.  小学校5年生から6年生に進級する際に、学級減とならないように学級数を維持するための制度を構築すること。
  3. 4.  特別支援学級の学級編制を、現行8名から国に先駆けて6名にすること。
  4. 5.  私立学校も35人学級を早期に実施できるように計画を立て条件整備に努めること。

Ⅱ 制度・政策に関して

1. 教育の機会均等と格差是正をはかること。家庭の経済状況の格差が教育の格差を生まないよう教育費に関する支援制度の拡充を通じて教育環境を整備すること。

①  区市町村立小中学校の施設設備の格差解消に努めるとともに、消耗品費・備品費等の財源を一定水準確保し、教育活動に地域格差が生じないよう都として対策を講じること。(重点)

②   学習指導上必要な教材については無償支給とすること。また、社会科見学のバス代の公費負担化など学校行事に関わる私費負担を減らす施策を進めるよう区市町村を援助すること。

③   公立高等学校の授業料無償制度および私立高等学校等就学金制度の見直しによって、保護者の経済状況の格差が子どもの進学機会や学力の格差を生まないよう、国にはたらきかけるとともに、都としても留学生・既卒者を含めた対策を講じること。

④   就学援助を増額すること。区市町村によって援助項目や認定基準に格差が生じないよう、都として支援すること。また、準要保護者への援助については、援助が必要な家庭に漏れがないよう基準を明確化すること。

⑤   義務教育修了後の学生・生徒に対する公的な奨学金については、世帯収入や学業成績に関係なく、希望するすべての学生・生徒または世帯に貸与を行うこと。さらに、奨学金水準については一定程度の生活費まで保障できるよう改善すること。

⑥  都独自で給付型の奨学金制度を創設すること。(重点)

⑦   保護者の失業や大幅な収入減などにより就学が困難となった学生に対して、授業料の一部を補填するなどの支援を拡充すること。

⑧   朝鮮学校への補助金を予算化・支給すること。

2.文科省が6月13日に公表した「学校現場における業務の適正化に向けて~次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォース報告~」の具体化について
① 報告に盛り込まれた、「部活動指導の休養日」について、早急に検討・設定し、周  知すること。

   ②給食費徴収業務について抜本的見直しを行い、人的配置を含め東京都として必要な措置を講じること。
③勤務時間管理の適正化のために、タイムカードなど「出退勤管理」の仕組みを早急に構築すること。合わせて、勤務時間管理や休憩時間の保障について、管理職の研修を行うとともに
勤務時間管理や勤務環境改善に関するとりくみを人事評価に反映する仕組みを構築すること。(重点)

2. 教員免許更新制について

①   教員免許更新制について、廃止または凍結するよう国にはたらきかけること。

②   更新対象者であること、及び、申請方法などの手続きについて更新対象者全員に漏れなく周知を徹底すること。育休、休職など学校現場を離れている者への周知も徹底すること。また、栄養教諭の職にない栄養教諭免許保持者や、時間講師についても、漏れのないようにすること。

③   東京都において、免許更新の手続き未了や更新講習未受講での失職者が出たことに鑑み、制度に対する理解不足や誤解などによる手続き未了者が出た場合のセーフティーネットについて早急に整備すること。

④   付帯決議の精神に則り、更新講習受講料、更新手数料等の本人負担の無料化あるいは軽減を都独自にすすめること。

⑤   服務の取扱いを「出張」あるいは「研修」とし、公務災害適用・旅費支給とすること。

⑥   島しょ地区からの受講は、本人負担が非常に大きく、また、交通事情など条件的にも厳しいと思われるため、特に配慮すること。

3.義務教育費国庫負担制度は全国的な教育水準の確保に不可欠であることから、制度堅持と2分の1への復元を国にはたらきかけること。事務職員・栄養職員の国庫負担制度を堅持するよう国にはたらきかけること。(重点)

4.学校で働く、非常勤教職員、臨時教職員等について、その実態を明らかにするとともに、公共サービスを提供するすべての従事者の「適正な労働条件の確保とその他の労働環境の整備」について、自治体に努力義務を課した公共サービス基本法の趣旨をも踏まえ、賃金並びに労働条件の抜本的な改善を図り、正規教職員との「均等待遇」を図ること。またそのために、地方自治法・地方公務員法等関係法令の改正を政府・関係機関に強くはたらきかけること。

5.「再任用制度」について「雇用と年金の接続」のため、さらなる充実を図ること。

① 再任用職員の任期を、(16年度から年金支給年齢が62歳に引き上げられることに伴い「1年毎の更新」ではなく「年金が支給されるまでの期間全部」を任期とすること。また「定年延長」について早期に実現を図ること。

② 再任用者の給与水準については60歳時点の給与の7割程度とすること。

③ 学級担任以外の専科教員(特に小学校)・副担任・複数担任・地域連携コーディネーター等が拡充できるための定数増及び、一人職種の多様な働き方を確保するための定数増を行うこと。

④ 再任用期間が段階的に65歳まで引き上がる間において、教職員の世代間バランスをとるための経過的な定数措置を行うこと。

⑤ 再任用選考にあたって、納得性と透明性を高めること。また、業績評価など選考にかかわる自己の情報の本人開示を制度化すること。

6.人事考課制度について

①   10年以上経過した人事考課制度の抜本的な検討を行うため、学識経験者、組合代表を含めた「人事考課制度検討会(仮称)」を設けること。

②   勤勉手当の成績率が全職員に適用となったことを踏まえ、不服審査については、第三者機関の設置などを通じて、公平性・透明性を保持すること。

7.都の「児童・生徒の学力向上を図るための調査」について、教職員に採点業務をさせていることをやめ、授業準備や子どもと向き合う時間を保証すること。

8.初任者研修、2・3年次研修、教職10年経験者研修などについて、過度な負担にならないよう教職員の意見を十分尊重して行うこと。また、授業軽減措置や人的配置など本人と学校に対する具体的な軽減措置を講ずること。

Ⅲ 定員増関係

1. さまざまな教育課題への対応と、子どもたちの豊かな学びを保証するために、教職員定数改善計画の立案とその実施を国に強く働きかけること。

2.今年度から始まった「特別支援教室」制度について
①区市町村により当該教室の学習環境に格差があることを踏まえ、一定の基準を設定するとともにクーラー等の設置など教室環境の改善を行うこと。

②旧通級学級担任の定数削減を行わないこと。(重点)

3.事務職員について、「義務標準法」で規定されている「規模補正」及び「要保護・準要保護加配」廃止を撤回し、定数配当を「義務標準法」通りに戻すこと。
①国の補正定数基準に沿って事務職員を配置し、欠員を生じさせないこと。
②一校一名の学校事務職員定数を堅持し、再任用短時間事務職員一人職場には、臨時採用職員を配置すること。
③事務職員の新規採用を拡大し事務職員の年齢構成の不均衡を是正すること。

4.「介護のための離職再採用制度」を新設すること。若しくは、一次試験免除、二次試験面接のみの「介護理由退職者特別選考」を設定すること。

5.より専門性の高い教育をすすめるため、小学校に英語・理科等の専科教員を配置すること。

6.35人学級実施に際しては、少人数指導やティームティーチング及び指導方法工夫改善加配等についても措置すること。

7.「中学校の非常勤講師配当時数」における時数算出の基礎になる持ち時数を、一般教科24時間を18時間に、実技教科22時間を16時間にすること。

8.中学校17学級以下校にも生活指導・教育相談充実のため、さらに定員増をはかること。

9.すべての公立小中学校に特別支援教育のための専任教員を配置すること。

10.特別支援学級の教員定数を「学級数×2名」とすること。また、学級認定を弾力化するとともに、特別支援学級への講師時数配当を改善すること。

11.単学級校への定数増を行うこと。

12.昨年学校図書館法が改正されたことに伴い、小・中学校に専任の図書館司書を正規職員で配置すること。司書教諭が図書館の業務に従事する場合は授業の持ち時数を軽減すること。

13.子どもの相談相手にもなる養護教諭について、児童・生徒600人以上校および15学級以上校に複数配置すること。

14.スクールカウンセラーをすべての小・中・高校に常勤配置し、すべての区市町村にスクールソーシャルワーカーを配置すること。

15.栄養教諭の任用を促進すること。栄養職員を全給食実施校に配置すること。また給食センター、共同調理場の栄養職員を学校配置にすること。

16.事務職員・栄養職員の育休者には、産休代替制度と同様の代替制度を確立すること。また、養護教員・事務職員・栄養職員の病欠代替については、資格のある職員の補充をすること。栄養職員の結核病欠代替の確保を行うこと。

17.産育休及び介護休暇の対象者死亡による代替の打ち切りを行わないこと。

18.日本語学級の教員配置を、特別支援学級に準じて行うこと。また、講師時数も特別支援学級と同様に配当すること。

19.夜間中学校の日本語学級の教職員定数削減分を復元すること。夜間学級の一般学級においても、日本語の理解できない生徒が5人以上いる場合は、日本語指導のできる専任教員一名の加配を措置すること。

20.すべての夜間学級に専任の養護教員、事務職員、栄養職員を配置すること。

Ⅳ労働時間短縮・休暇制度改善に関して

1.学校現場の多忙化が大きな社会問題となっている。学校現場の多忙化解消対策を進め、教員が子どもと向き合う時間を確保すること。

① 土曜日授業や長期休業日中に行う補習などの諸活動については、真にやむを得ない場合に限ること。安易な土曜日授業の実施を改め、教職員の週休日を本来の趣旨通り実施すること。

②  教諭の多忙化解消のため、研究指定校、校務分掌、諸会議、各種研修会、出張、報告書のあり方の見直しなどの具体的で実効性のある対策を早急に検討し、実行すること。

③  東京都の教員の勤務実態を把握するために、教諭を対象とした「勤務実態調査」を都独自で3か年に1回程度定期的に行い具体的な多忙化解消策を講じるとともに、その検証を行うこと。

④  労働安全衛生体制を充実・強化すること。区市町村における労働安全衛生体制の整備について調査し、公表すること。

⑤  事務職員をはじめとしたスタッフ職を充実させ、教員が授業とその準備に集中できる体制を作ること。(②~⑤重点)

⑥  1日のうちに休憩時間を確実に保障する勤務時間の割り振りを行うこと。特に出張や研修等の際の休憩時間の確保について、地教委・管理職への指導を徹底すること。

⑦  教職員の休憩が取得困難な実態を早急に調査し、休憩時間を保障する具体的対策を講じること。休憩時間を確保するために休憩室を全校に設置するよう区市町村にはたらきかけること。

2.事務職員、栄養職員の年次有給休暇制度について、時間単位で取得できる日数の上限を設けないよう改めること。当面、日数を拡大すること。

3.16年度より対象者が拡大された「時差勤務制度」について、小学校の教職員が利用しやすい体制を構築すること。

4.病気休暇日数及び病気休職中の給与保障年数を以前の形に復元すること。

5.長期勤続休暇(リフレッシュ休暇)については、日数を拡大するなど制度の改善をはかること。また、除算期間を設けず、採用後15年、25年とすること。

6.夏季休暇を大幅に増やすこと。また、再雇用職員・非常勤教員についても日数増を図ること。

7.ボランティア休暇は、広くNPO活動などに適用を拡大するなど改善を図ること。

8.一定期間勤続した教員に対するサバティカル制度(研究専念休暇制度)を新設すること。

9.入学式・卒業式・授業参観等に参加できるよう、「教育休暇(時間休を含む)」制度を新設すること。

10.慶弔休暇を改善すること。

①   死亡の場合の付与日数を縮減前の水準に復元すると共に、最低2日とすること。

②   祭祀の場合、 配偶者、 子ども、配偶者の父母ならびに兄弟姉妹についても休暇を認めること。また15年以内の制度を撤廃すること。「付与日数」の計算から、週休日・休日を除外すること。婚姻の場合の日数を拡大すると共に分離取得を認めること。また取得の始期については、本人の申請によること。

Ⅴ 子どもの権利条約の具体化に関して

1.子どもの権利条約の精神を生かし、子どもの権利を社会に根付かせて行くために「子ども権利条例」を制定すること。また、国連子どもの権利委員会が、過去3回にわたって日本政府に勧告している「子どもの権利侵害にかかわるオンブズパーソン監視制度」を東京都で創設し、子どもの権利侵害に関する予防、相談、問題発見、救済、回復の仕組みを構築すること。(重点)

2.「教育システムが過度に競争的であり子どもたちから、遊ぶ時間や、体を動かす時間やゆっくり休む時間を奪い、子どもたちが強いストレスを感じている」という子どもの権利委員会の勧告に鑑み、学校五日制の形骸化につながる「振替のない土曜日授業」の実態調査を行うとともに、安易な土曜日授業を行わないよう、区市町村教育委員会にはたらきかけること。

3.子どもを過度な競争に追い込みストレス過剰な状態とならないよう、新たな教育政策の立案において「スクラップアンドビルド」の視点に立ち、ゆとりある学校生活が送れるように配慮すること。

4.同和教育推進のための予算増を行うこと。

5.平和教育、人権尊重教育、ジェンダー平等教育、国際理解教育をすすめるよう、具体的施策を講ずること。人権尊重教育においては、国連子どもの権利委員会の勧告を内容とする子どもの権利条約に関する研修をすすめること。

6.学校教育での性教育を充実させ、リプロダクティブ・ヘルス・ライツに関する知識の普及を図るとともに、教職員の研修を強化すること。また、HIV(エイズ)、性感染症、薬物乱用防止、及び喫煙防止教育を推進すること。

7.学校における児童・生徒に対するセクシャル・ハラスメントを防止する具体的な手立てを講ずること。また性同一性障害の児童・生徒が一定数いることに基づき、固定的な男女の区分けをせず、誰もが個人として尊重されるよう施設設備の改善をはかるとともに、文科省通知における「学校教育における配慮事項」について、周知徹底を図ること。

8.都立高入試において点数学力によらない選抜方法を充実させること。入学策定率を100%以上とし、定員内不合格者を出さず、障害のある子どもも積極的に受け入れること。

9.日本語の理解できない外国籍児童・生徒にたいする教育の保障を行うこと。

①日本語の理解できない外国籍児童・生徒に対し都費により通訳などの人的措置をすること。

②日本語の理解が不十分な保護者に対する通訳介助等の人的措置を東京都教育委員会として行うこと。

③外国籍児童・生徒の教育の権利と機会を保障するため、日本語教育・母語教育の支援、及び外国人学校への運営補助を行うこと。

④都立高校において日本語の理解できない生徒が学習できる機会を増やすために、「在京外国人生徒対象」の募集枠を拡充すること。

10.差別解消法の本格実施にともない、「 障がい」のある子どもがすべての場で「合理的配慮」を保障される制度を構築すること。また、普通学校にすべての子どもを在籍させ、ニーズに見合った教育を提供する包括的な教育「インクルーシブ教育」を推進し「障がい」児と健常児が共に学び合う教育を推進すること。そのために、必要な人的配置を行うこと。

11. 「障がい」児が普通学級に在籍する学校へ、介助のための人的措置をすること。

12. 「就学時健康診断」については、学校を使用せず行政の責任で実施するよう検討すること。

13.経済的に困窮する夜間学級生徒については、居住地などの制限を設けず、就学援助の申請が出来るようにすること。認定後の支給については格差をつけないように配慮すること。また、6km以上の通学生徒については交通実費を支給すると共に、設置区市外からの通学生徒の交通費については、都として負担する措置を講ずること。

14.不登校児童・生徒の学びやケアのための機会を充実させるなどの環境整備を行うこと。

① 不登校や高校中退者の学習保障の場ともなっている定時制・通信制高校への支援を強化すること。

② フリースクールなどへ、助成金などによる財政支援をおこなうこと。

15.特段の事情によりフリースクールなどにも出てこられない子どもに対して、メディアを活用した学習支援を行うとともに、引きこもりの子どもと保護者への社会的支援をおこなうこと。

16.自然環境やその維持・保護について理解を深める学習や事業を推進すること。

17.働き方を選択し働く者の権利を行使して暮らすことができるよう、必要な知識とその活用についてすべての子どもが学べる「労働教育」のカリキュラムを、学校が策定できるよう支援をすること。

① 労働教育について、教職員の研修の場を設けること。
② 行政・労働組合・地域が連携して学校での労働教育を支える仕組みを構築すること。
③ 職場体験などについて、教職員に過度な負担とならないよう人的・財源等の措置をすること。当面、東京都が関係する職場の受け入れを拡充すること。

18.体験のバーチャル化・疑似化が進む子どもたちに対して、ものづくり教育を通して各学校段階で社会認識や自然認識、技術認識を深めるカリキュラムづくりとその条件整備を推進すること。

19.ICT活用がいわれる今だからこそ、情報を批判的に読み解く力、正確な情報を活用する力、正確かつ有効な情報を発信、伝達する力を養うために、メディア・リテラシー教育をすすめること。

20.公職選挙法改正により、選挙権年齢が、20歳以上から18歳以上に引き下げられることに伴い、平和で民主的な社会を形成する主権者の育成が不可欠である。小中学校においても、政治教育、法教育、労働教育、メディア・リテラシー教育などを各学校のカリキュラムに位置づけ、特定の教科などに限定することなく、様々な活動や体験を通して学ぶ機会を保障すること。また、そのために教職員の主体的な研修の機会を保障すること。(重点)

Ⅵ リプロダクティブ・ヘルス・ライツと家庭責任の保障に関して

1.「次世代育成支援対策推進法」の延長及び「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」制定に伴い、学校現場における実態を点検すること。都においては2014度の取得状況について「出産支援休暇の取得率94.3%」「育児参加支援休暇の取得率93.5%」があげられている。一方、2014年の都内公立学校の「出産支援休暇の取得率48.2%」、区市町村立学校の「育児参加支援休暇の取得率34.3%」と非常に低い水準である。早急に調査され、手だてを取られたい。(重点)

2.女性教職員の妊娠・出産にかかわる現行制度を改善すること。

① 学校現場におけるマタニティ・ハラスメント(マタハラ)、パタニティ・ハラスメント(パタハラ)の実態を調査し、具体的な手だてをとること。
② 特別支援学級担任の妊娠初期8週間、週10時間軽減を産休に入るまでに延長し、代替措置をすること。
③ 早期流産休暇を期間延長するなどの拡充を行うこと。また、妊娠症状対応休暇を14日以内に延長すること。
④ 妊婦通勤時間を1日90分に延長し、また、全妊婦を対象とすること。
⑤ 風疹等学校伝染病が発生した学校・地域に勤務する妊娠中の職員または風疹等に罹病した職員は、学校保健安全法の趣旨にてらし勤務を停止させ「風疹等休暇(仮称)」を新設すること。
⑥ 後期妊娠障害期間を、事務職員・栄養職員にも適用し、あわせて代替措置をはかること。
⑦ 産育休引き継ぎ制度を全職員に拡大するとともに、どんな場合でも前後2日ずつ保障すること。
⑧ 母子保健健診休暇について、妊娠判定のための初回の通院を回数に含めること。親学級も対象とすること。
⑨ 妊産婦の休養職免を、勤務の始めと終わりに取得「可」とし、他の規定によるものとの連続取得を認めること。
⑩ 産休を18週に延長すること。

3.出産支援休暇を日数延長など、改善するとともに、取得率向上のためのとりくみを進めること。
4.育児休業については、全期間有給とすること。当面、全期間に育児休業手当金を支給し、「給付金上限額」を撤廃するよう政府関係機関にはたらきかけること。
5.育児短時間勤務について、正規職員による代替措置を行うこと。縮減時間について有給とすること。当面、手当金を給付するよう政府関係機関にはたらきかけること。
6.育児時間を120分とし、期間を1年3か月から3年に延長すること。育児時間行使が完全にできるよう、当局の責任で取得体制の確立を図ること。
7.部分休業を有給とすること。当面、休業手当金を給付するよう政府関係機関にはたらきかけること。対象となる子の年齢を、義務教育修了まで引き上げること。
8.「保育時間(仮称)」を新設すること。対象は小学校修了までの子とし、1日90分、有給とすること。
9.育児・介護にかかわる深夜業務(宿泊を伴う出張など)の免除の対象を「義務教育修了までの子を養育する職員」とすること。
10.子どもの看護休暇について、子ども一人につき10日間にすること。また、対象児を、義務教育修了までとすること。予防接種若しくは健康診断を受けさせるための取得について、対象を中学校就学の始期までの子に拡大すること。
11.短期の介護休暇の日数を増やし、申請の手続きを簡素化すること。
12.介護休暇制度について

①期間3年間とすること。有給とすること。
②介護休暇の行使者に対する昇給幅の制限をしないこと。
13.少子化対策のため、不妊治療に対する休暇を新設すること。
14.生理休暇3日目以降の病気休暇については本人申請によること。

Ⅶ 福利・厚生に関して

1.休職者の増加とそこにおけるメンタル疾患の割合が非常に高い状況を重く受け止め、発症の予防・早期発見・復職・再発予防に向け、実効性のあるメンタルヘルス対策を確立すること。また、公立学校で進んでいない労働安全衛生体制の整備促進について、都として実効性のあるとりくみを行うこと。

①公立小中学校の労働安全衛生体制の整備を促進するよう、区市町村教育委員会に対し、支援・助言を行うこと。

②義務化された「ストレスチェック」が、50人未満を含むすべての学校でも実施されるよう、区市町村教育委員会に対し、必要な支援・助言を行うこと。

③労働安全衛生体制の整備や職員の労働環境改善は、管理職の責務であることに鑑み、管理職に対する研修を行うとともに、勤務時間管理や勤務環境改善に関するとりくみを人事評価に反映する仕組みを構築すること。(重点)

2.職員の健康診断にかかわる業務は、プライバシーの面からも養護教諭にさせないよう周知徹底をはかること。

3.人間ドック受診の職免を拡大すること。また、再雇用・非常勤教員も同等の措置をすること。

4.通院保障(休暇)制度を確立すること。

5.病気休暇について、以下のとおり改善すること。

①精神疾患に起因する場合やガン等の特定疾患による場合は、期間延長を認めること。

②職場復帰後、同一疾病等による再度の取得について、通算される期間を「1年以内」から短縮すること。

③更年期障害による症状や不妊治療のための通院についても対象とすること。また、精神疾患や妊娠に起因する疾患については、180日まで給与の減額を行わないこと。

6.定期通院にかかわる勤務の軽減をすること。

①長期病欠後に勤務する場合は、勤務の軽減措置について改善をはかること。

②人工透析者、C型肝炎、鉄芽球性貧血をはじめとして医療機関へ定期的に通院する疾病者・難病者については新たな有給休暇(または職免)措置を講ずること。

7.職場復帰訓練は、医師の診断・本人希望を優先させ、制度の趣旨に則った対応を徹底すること。

8.更年期障害に関わる検診・通院保障・勤務時間の軽減などの必要な措置を具体化すること。

Ⅷ 施設・設備に関して

1.公立小中学校等の耐震化について都の支援を一層強化し、早急に完了させること。また、災害時の避難場所として災害対応型のトイレなどを備えること。私立学校においても耐震改修が必要な校舎については、支援を充実させ耐震化を強化すること。

2.首都直下型地震に備え、臨海部及び地盤の低い地域の小中学校に対して早急に津波対策をとること。熊本大震災を踏まえて、震度7クラスの地震が連続して発生しても、校舎等の安全が確保されるよう対策を講じること。(重点)

3.全ての学校に子どものための更衣室を設置するよう区市町村にはたらきかけること。

4.学校施設のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化をすすめるよう区市町村にはたらきかけること。特に「障がい」者に配慮した車椅子用トイレ・スロープ・エレベーター等を設置するよう、設置者である区市町村に対して強くはたらきかけること。また、学校の施設設備基準を改めるよう国にはたらきかけること。

5.プールでの飛び込み事故等の防止のために、施設改善を行うよう区市町村にはたらきかけること。

6.腰洗い層を廃止し、循環式浄化装置、温水シャワー設備等、全校のプールの施設・設備を改善するよう区市町村にはたらきかけること。

Ⅸ その他

1.パワー・ハラスメントの明確な定義を示すとともに、具体的な対策指針・防止指針を策定すること。昨年度、都立学校において設置されたパワー・ハラスメントについての「相談窓口」を、区市町村立学校についても速やかに設置するよう区市町村教育委員会を指導すること。また、管理職に向けて服務事故防止研修と同様、事例を挙げての「パワハラ防止研修」を行うとともに、すべての教職員に資料として配布すること。(重点)

2.「期末・勤勉手当」について、一定の経験年数を基準とした職務段階別加算を制度として導入すること。

3.再任用職員、非常勤教員、再雇用職員の賃金・労働条件について改善をはかること。

4.月の途中で採用された職員に対し、交通費を実費で支給すること。

5.自動車通勤者に、実費に見合う通勤手当を支給すること。

6.事務職員・栄養職員の「時間外手当」を増額すること。

7.事務職員・栄養職員の主任級・係長級及び課長補佐級ポストを大幅に増やすこと。

8.産育休代替教員が正規教員に準じた勤務を行っていること、及び生活権の保障を考慮し、長期休業日中も任用を行うこと。また、産育休代替教員の給与頭打ちを改め、経験年数が反映されるように改善すること。

9.夜間学級勤務手当については夜間学級の勤務の実態をふまえ増額すること。

10.セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメントのない職場環境づくりにむけて基本方針に基づき具体的な施策を講じること。

11.都立中高一貫校や区市町村教育委員会における教科書採択においては、学校現場の教職員と保護者や地域住民の意見を充分反映するとともに、透明性の高い採択が行なえるような制度を構築すること。

12.環境教育等の実践を通して、自然災害への認識を持つとともに、自分自身を守り、互いに助け合っていける力を育み、意思ある判断や行動力が身につく防災教育をすすめること。また、災害時に少しでも被害を少なくするための技術を習得できる減災教育の構築をはかること。

13.福島第一原子力発電所事故による放射能汚染に対しては、児童・生徒に正しい知識を伝えるとともに、都として細心の注意を払い、健康被害を防止するために必要な対策を講じること。また、学校、通学路、周辺地域の放射線量の測定と保護者の給食に対する不安に応えられる体制をつくること。

14.東京都帰宅困難者条例の制定に伴い、大規模災害時に児童生徒が学校で3日間安全に過ごせるための、施設の整備と必要な物資の備蓄等について、区市町村との連携を図りながら進めること。

15.給食における食物アレルギー対策のための、施設設備及びスタッフの充実を進めること。区市町村立学校においては、地域の実態を踏まえ当該自治体と連携を図りながら取り組むこと。

 

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