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2013年4月30日(火)

虐待と発達障害

あなたの学級に虐待されている子どもはいますか?
虐待が発達障害(脳機能障害)を引き起こし、発達障害が虐待を誘発する。
発達障害としての子どもの虐待の実態を、小児精神科医の杉山登志郎さんが、具体的な事例をもとに報告されている。「子ども虐待という第四の発達障害(杉山登志郎、学習研究社)」
虐待は、世代間連鎖も考慮すべきで、杉山さんによる親子の診療が有効であることがわかる。品川では、教育相談カウンセリングは、親子で行うのが原則だ。
「反応性愛着障がい」という入り口を考えたとき「三つ子の魂百まで」が持つ意味の深さが、発達障害・虐待の予防を考える上で重要だ。
また、解離という現象を示す子どもを多く見て来た経験からすると、小児精神科医の診療と家庭・学校を含む連携がいかに大切か痛感する。解離性同一性障害と複雑性PTSDが、子どもの虐待の終着駅だと杉山さんは表現しているが、学校現場の体験からもうなずける。
杉山さんが指摘する、日本の社会・文化の変化と児童福祉の圧倒的な立ち後れが、社会の疲弊と低迷として顕著に現れている今の日本社会。その被害者として加虐・被虐、発達障害をとらえてもいいような現状である。少子化とペットの数の反比例と、発達障害・虐待の増加に日本社会・文化の病弊を見て取ることができる。
児童相談所、児童養護施設も、その過酷な環境と職員の劣悪な労働環境の改善が喫緊の課題だ。
児童憲章・2「すべての児童は、家庭で、正しい愛情と知識と技術をもって育てられ、家庭に恵まれない児童には、これにかわる環境が与えられる。」が達成されていないことを謝罪する杉山さんの態度に共感を覚える。

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