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2013年5月3日(金)

憲法記念日

Photo 卒業生の保護者から「法律は、国民が守るべき決まり事、憲法は、国が守るべき決まり事!デスね!」というたよりをいただいた。まさしく、憲法の「立憲主義」をわかりやすく言い当てている。国が守るべき最大のことは、国民一人ひとりを個人として尊重し、その幸せを国家がないがしろにしてはいけないということである。そこで、憲法と自民党改憲案を比べると、「立憲主義」を放棄する目的が浮かび上がってくる。
日本国憲法の下線部分を削除して、(  )内の文字を書き加えたものが自民党改憲案だ。読み比べてみてほしい。

第十二条  この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて(より)、これを保持しなければ(されなければ)ならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて(ず)、(自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、)常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ(公益及び公の秩序に反してはならない)。
第十三条  すべて国民は、個人(人)として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉(公益及び公の秩序)に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大(限に)尊重を必要とする(されなければならない)。

お上が国民にもの申す命令口調なのがよくわかるだろう。「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」にすることについて自民党は「基本的人権の制約は、人権相互の衝突の場合に限られるものではないことを明らかにした」と、その「Q&A」で明らかにしている。つまり、国家が「公益」「公の秩序」と規定したものに国民は従う内容だ。
人権が制約され、個人の尊厳、幸福追求の権利も国家によって制限されることを明文化することになる。憲法の原則である「立憲主義」を放棄し、国民が守るべき決まり事にしてしまうのだ。今日の新聞各紙も憲法を取り上げているが、もっと憲法の基本「立憲主義」について論ずるべきであろう。
スダチ

カテゴリ:憲法