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2015年7月31日(金)

青年教職員は今-アンケート結果から見る若い教職員の思い-

 

青年教職員は今

 

-アンケート結果から見る若い教職員の思い- 2014年度版

 

昨年、青年部が行った「東京都で働く若い教職員の方々へ」と題するアンケートに136名(一昨年度127名)の皆さんが回答を寄せてくださいました。 

 

青年教職員の悩みや職場の状況から、長時間勤務に苦しみながら希望とやりがいを持って働く姿までが浮き彫りになったアンケート結果を報告します。

 

回答してくださった136名の内訳は、小学校100名(74%)中学校35名(26%)その他1名。新採用が一番多く57名(44%・うち期限付き任用15名)に続き、2年目44名、4年目以降20名、3年目17名、その他5名、その内、学級担任が77名(59%)でした。

 

働きがいを感じ、退職まで続けようと考えている青年教職員

 

最初の質問が「働きがいを持って働いていますか?」。「そう思う」が80%、「思わない」が2%。「退職まで続けようと思いますか?」という質問には、「そう思う」が65%、「思わない」が15%という結果でした。どちらの質問も「そう思う」と答えている人が昨年より7%増えていますが、退職まで続けようと思わないも昨年より6%増え、過酷な仕事と健康への不安を感じさせます。

 

 

 

談相手は先輩と同期の友人

 「職場でわからないことや、困ったことを相談できますか。また、誰に相談していますか。」という質問には、「職場の先輩」が85%(116人)。先輩教職員がいかに相談相手として頼りにされているかがわかる。次が、「同期の友人」56%で、初任研などで苦労を共にした同期の友人も相談できる相手になっているようです。「相談できる人いない」が3%(4人)とわずかですが、とても心配です。専科や養護教員や栄養職員など学校に一人しかいない職種の方の苦労が多いようです。東京教組の栄養職員部や養護教員部のベテランにもぜひ相談してほしいと思います。

働きすぎに注意!ほとんどの人が医師の面接が必要な過労状態。

青年教職員の長時間勤務の実態は、昨年より深刻になっています。毎日11時間以上勤務の人が83%(昨年度77%)。労働安全衛生法に基づき医師による面接指導が必要な月80時間以上の超過勤務の人が68%(昨年度59%)医師による面接指導が義務付けられている月100時間以上の人は38%(昨年度28%)。
今回のアンケート結果では平均勤務時間11時間58分(昨年度より22分増)。実際にはとれていない休憩時間を差し引いても、毎日の平均超過勤務が3時間28分にもなります。長時間勤務は昨年より悪化しています。

休日勤務も増えている!

 土曜授業が増えるとともに、部活動などで、土日もほとんど出勤(月6日以上)という人が15%もいます。
 また、土曜授業・授業参観は勤務の振替が長期休業中になるため疲れがとれないという訴えも多く聞きます。特に青年教職員は、地域行事等で休日に出勤しなければならないことも多いようで負担になっています。

 

 

 

青年教職員は、教材研究・子どもへの対応・授業方法に不安を感じている。

「不安や困っていること、疑問に感じることなどがあったら教えてください。」という問いのベスト3は、「教材研究」「子どもへの対応」「授業方法」で40%以上の人が不安や疑問を感じている。いずれも職場でフォローし青年教職員のスキルアップをはかる為に、先輩教職員に期待されている内容であり、OJTとしても重視しなければならないだろう。

続いて、「保護者への対応」「勤務時間の長さ」「児童・生徒と向き合う時間の確保」が30%以上の人があげている。
つまり、青年教職員は、①教職員として力をつけたい、②仕事が多すぎる。長時間勤務を何とかしてほしいと感じていることがわかる。

自由記述欄には、具体的な悩みや疑問が寄せられました。一部を紹介すると、

・畑の作業、地域のお祭り、PTA主催の行事が休日にあり、自由参加ではあるが、若い、独身だと行かなくてはいけない雰囲気がある。調整もとれないのでなんとなく不満がある。
・部活動の休日出勤のせいで疲れがとれません。一番つらい時は、朝8:00~19:00までやって、心から辞めたいと思いました。
・退職まで続けたいと思うけど、実際続けていけるか不安です。

 研修の回数・レポートが多い、現場で生かせる内容に!

初任者研修、2、3、4年次研修について、困ったこと、疑問に感じたことなどを記入式で聞きました。
研修の回数が多く、本務である授業や子どもたちとの関わりを犠牲にしてまで研修に出かけなければならない悩みが多く寄せられました。研修が役に立つという声がある一方で、実際の授業や教育活動の力をつける内容を願う教職員の姿が浮き彫りにされました。特徴的な記述を紹介します。

 現場で生かせる研修内容にしてほしい

・時間をかけている割には、現場で生かせるものが少ないように感じる。
・学級を抜け、補教も頼んで出席しているが、内容が伴わない時があり残念。
・実践的内容の充実にしてほしい
・宿泊研修の研修内容的に、わざわざ遠くまで行く必要があるのか・・・
・授業より研修優先で、子どもを他の先生に任せることがつらい。

 レポート提出も多すぎる。

・レポートが多い。レポートに時間をかけている余裕はない。
・つまらない講師の話をレポートにまとめるのはつらい
・多い割に、評価や助言等をしてもらえない。提出して終わり。

 採用前研修、期限付の初任研に疑問

・期限付で研修が別であることが多く、疎外感を感じる時がある。
・クラスを空けて出張することが多いので、クラスの様子が気になる。
・採用前研修。採用されてから振休があるわけでもなく、4日間もあった。うち、2日間は終日ホールでの講演でおもしろくなかった。こんなことより、採用されてからの手助けが欲しい。

 深刻なパワーハラスメント。人前で激しく叱責22人など

・個人的にメールで指導があった。4~5月(ほぼ毎日)
・個人情報をいろいろな方に話された。「おまえになんか人権はない」と言われた。
・校長に1年以内は、条件付きだから、やめさせることもできると言われたことがある。
・機嫌が悪い時、無視や叱責を目にしたことがあります。
・育休中に、休日、土曜に電話をかけられた。内容は平日でもよいものであった、また育休中に異動について執拗に進められた
・長時間の拘束(指導)
・人格否定の言動

 

授業力、仕事のノウハウこそ身につけたい青年教職員!

 

 「今、とくに知りたいことはありますか?」【複数回答可】という質問では、下のグラフのとおり、「授業方法など仕事のノウハウ」を知りたいが62%と、突出しています。
いかに青年教職員が授業や仕事のノウハウを身につけたいと切実に思っているかが研修への要望と併せてよくわかります。
た、「人事異動」「将来の教職員の地位」「自分の権利」についても関心の高さがうかがえます。
職場で若い人に声をかけ、授業や仕事のことで困っていることの相談相手になることが重要です。
要請があれば、東京教組の組織拡大オルガナイザーを派遣して、職場会のお手伝いもします。

最後に自由記述で「採用試験・面接・また中途採用などで困ったこと、おかしいと感じたことはありませんか。」と「その他、自由に書いてください。」の欄を設けました。びっしりと職場で困っていること、知りたいことを書いてくれた人がたくさんいましたが一部だけ紹介します。

 期限付き任用の不安、疑問が多数寄せられる!

・期限付で8月に面接を受け不合格でした。周りの先生方からも「まさか!」と驚かれました。半年間、誰よりも努力してきたつもりですし、未熟ながらせいいっぱい働いたつもりです。何がいけなかったのでしょうか。使い捨てのような扱いを受けるためにこの数ヶ月間学校で働いてきたのではありません。期限付という制度そのものにやはり疑問を感じずにはいられません。

 取れない休暇、長時間勤務、部活動の過重負担に悩む

・仕事量や勤務時間の長さ、休日の部活動と1年やっていけるか大変不安でしたが、組合の先生に大変よくしていただき支えられ、やり遂げられました。
・家族のこともあり、休日も校務分掌や部活の為に全てがつかわれている現実です。新採用なので、しかたないのかと、あきらめています。

 管理職や同僚の言動、職場の人間関係などの悩み

・校長からの強い言動、態度にまいっています。
・つらい気持ちを誰にも相談できず苦しいです。職場の人間関係が、つらいです。理不尽なこと言われても、言い返せずがまんしているから。人間らしく働きやすい環境だとは思えない。誰にも言えないので書かせていただきました。

 

カテゴリ:ニュース青年部