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2015年10月30日(金)

東京都人事委員会勧告(10/18)

例月給、ボーナスともに、2年連続のプラス改定とされるも、若年層以外の2級職の引き上げを見送り!

東京都人事委員会は10月16日、都知事と都議会に対し、2015年度の東京都職員の給与について、
①例月給を0.12%、480円、一時金を0.1月引き上げるとする給与改定に関する勧告を行い、合わせて
②公安職の部長職の給与制度の見直し、
③地方公務員法改正への対応などを内容とする勧告・報告を行いました。
例月給及び特別給は、昨年に引き続き2年連続の引き上げとなりました。しかし、例月給の引き上げについて、「3級から5級までは、職責等をより適切に反映した昇給カーブの見直し等を行っているため、定額による引き上げを基本」とし、「1・2級は、上位級との職責差に応じた給料月額への見直しを図る観点から、1級の初任給付近及び2級の若年層以外は引き上げを行わない」としており、今年4月からの「給与制度の総合的見直し」により、給与を削減された高齢層には、給与改定を行わないとする、「高齢層直撃」の不当な勧告となっています。

東京都人事委員会が行った給与勧告のポイントは、次のとおりです。
○例月給、特別給ともに引上げ
例月給
公民較差(480円、0.12%)解消のため、給料表を引上げ改定
各級における職責の差に応じてメリハリをつけて改定
(都の問題意識に基づき一部引上げを見送り)
特別給(賞与)
年間支給月数を0.10月分(4.20月→4.30月)引上げ、勤勉手当に配分
〇公安職の部長の職の給与制度を見直し
部長の職の給料月額を、職責・役割に応じて定額化
扶養手当を、不支給

給与改定のポイント

東京都職員の給与は、長期にわたる景気の低迷や厳しい財政事情と公務員バッシングにより1999年以降ずっと抑制され、昨年15年ぶりに月例給・一時金ともに引き上げられました。今回の勧告では、昨年に引き続いて2年連続の引き上げとなりました。しかし、人事院勧告では、0.36%1569円とされていた「公民較差」は、三分の一の0.12%=480円に圧縮され、さらに「2級については若年層以外引き上げを見送る」という、公共サービスの最前線で働く高齢層職員にとって厳しい勧告となっています。他県や政令市では「人事院勧告に準じた引上げ」「公民較差0.2~0.3%」となっており、とても首都東京の民間賃金の実態を反映したものとは考えられない「政治的な」格差の設定となっています。さらに、2級については若年層以外の引き上げを行わないことは、「高齢層いじめ」としか言いようのない「不当な勧告」であるといわざるを得ません。
また特別給(ボーナス)については、民間の支給割合に見合うよう+0.1月(再任用職員は、0.05月、昨年の引上げは+0.25月、今年度の民間の年間支給月数は4.30月)引き上げられることになりました。今年度については、既に6月期の支給が終わっているため、12月期の支給で、期末手当1.375月と勤勉手当0.85月が支給されることになります。引き上げは、評価できるものの、引き上げ分全てが「勤勉手当に配分」されることは、満足できるものではありません。

再任用者の給与については、実態調査にとどまる

組合が強く求めていた「再任用者の給与水準の改善」については、「定年退職後の継続雇用制度に係る国や民間事業所の動向を注視しつつ適切に対応」とされるにとどまり、具体的な給与水準引き上げは勧告されませんでした。今年度末の定年退職者からは、年金支給開始年齢が62歳に引き上げられることになっており、再任用希望者の増加が予想されます。再任用制度が今後どのように運用されていくのか注視する必要があります。
勧告を受けて都労連は団体交渉を実施
勧告を受けて都労連は、16日15時15分より団体交渉を行いました。団体交渉において都労連は、人事委員会勧告について次のように述べ、都労連要求に基づく交渉を強く求めました。
勧告意見は職員の期待に応えたものとはいえません。
職員を代表する都労連の要請を否定し、再任用職員の給与改善、高齢期雇用制度を拒否する一方で、労使で検証、議論を行っている成績率の見直しに言及した東京都人事委員会の姿勢は、労働基本権制約の代償機関としての使命を放棄したもので遺憾であります。これを容認することはできません。従って、提出してある「賃金・労働条件改善基本要求書」を受け止めて給与改定交渉にのぞみ、その後提出した各種要求を含めて解決することを求めます。

都労連に連帯し、東京地公労の仲間とともに秋闘を闘い抜こう!

東京地公労は、11月6日には、「東京地公労都庁前集会」を開催することを決定しました。今年も厳しい闘いとなることが想定されます。東京の生活実態を反映した賃金と一時金の確定、50歳台賃金の回復、再任用要求の実現などが課題となると考えられます。東京教組は都労連に連帯し、東京地公労に結集して1015秋闘を闘います。職場の仲間に声をかけ、闘いの輪を大きく広げ、団結をより強固なものにして賃金確定闘争を闘っていきましょう。

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