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2024年7月4日(木)

公務員連絡会が人事院に2024人勧期要求書を提出

公務員連絡会は、6月19日に川本裕子人事院総裁と交渉を行い、「2024年人事院勧告に関わる要求書」を提出しました。要求事項はWEEKLY東京教組2024年7月9日号に抜粋して掲載していますが、要求事項全文を以下に掲載します。

2.「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」への対応
(1)月例給 ・一時金 ・各種手当を取り扱う総合的な見直しであることを踏まえ、職員各層から理解を得られ、その意欲を引き出すものとすること。
(2)地方公務員、独立行政法人職員、政府関係法人職員等にも広く影響を与える課題であることから、検討に当たっては、公務員連絡会に対して、適宜早い段階での情報提供を行うとともに、連絡会と十分な協議を行うこと。
(3)地方における職員の処遇改善と人材の確保に向けて、地域手当の改善と併せて、初任給近辺の俸給月額引上げを確実に行うこと。
(4)勤勉手当の「特に優秀」区分の成績率の上限引上げについては、それを実施すべき合理的な理由を明らかにすること。また、引上げに当たっては、2022年10月から施行されている改定された評価制度の検証を前提とすること。
(5)新幹線通勤等に係る手当額見直しについては、精確な官民比較に基づき、確実に引き上げること。また、現在の通勤手当の問題点を踏まえ、普通交通機関も含めた総合的な見直しを行うこと。
(6)採用時からの新幹線通勤 ・単身赴任に対する手当支給については、採用全般を対象とするとともに、現在既に新幹線通勤や単身赴任をしている者を対象とすること。
(7)地域手当について、地域間格差を縮小するとともに、「大くくりの調整方法」により生ずる課題への具体的対策について、公務員連絡会と十分交渉・協議すること。
(8)扶養手当の見直しについて、経過措置等を講ずるとともに、その具体的な内容について、公務員連絡会と十分交渉・協議すること。
(9) 現在再任用職員に支給されていない手当について、定年前職員や定年延長職員との均衡などを踏まえつつ、各種手当の支給範囲を極力拡大すること。
(10)のちの60歳前後の給与カーブに関する課題の検討に向けて、60歳以上の職員の給与に関しても精確な官民比較を行うことを基本に、中長期的な給与カーブ全体のあり方について、公務員連絡会と十分交渉・協議すること。
(11)寒冷地手当や特地勤務手当など、関連して見直しが実施される手当について、地域事情等を十分に踏まえて検討すること。

3.長時間労働の是正と休暇 ・休業制度の拡充等について
(1)長時間労働の是正
① 人事院が3月26日に公表した調査結果において、2022年度(令和4年度)において、上限を超えて超過勤務を命ぜられた職員の割合が、本府省・地方、他律部署・自律部署のいずれにおいても、前年度を上回っていることから、各府省に対して、超過勤務の抑制や職員の心身の健康確保など指導を強化すること。
② 昨年4月21日に人事院が公表した調査において、業務の合理化等を行ってもなお長時間の超過勤務により対応せざるを得ない理由について、多くの府省が「恒常的な人員不足」を挙げていること等を踏まえ、引き続き、定員管理担当部局に対して、人員の確保に向けた対応を求めること。
③ 「テレワーク等研究会」 最終報告 (2023年3月)でも示されている通り、他律部署の範囲について業務の実態に即して課室よりも細かく指定することや、特例業務の範囲を必要最小限とすることについて、各府省への指導を強化すること。

(2)「柔軟な働き方」について
① 本年4 月から導入された「在宅勤務等手当」について、 その運用の状況を検証するとともに、適宜情報提供すること。
② 本年4月から導入された「勤務間インターバル」について、3月29日付職員福祉局長通知を踏まえ、各府省が「11 時間」を確保できるよう、 関係部局とも連携し支援すること。
③ 来年4 月から施行するとされている 「ゼロ割振り日」 「勤務時間の勤務開始後の割振り変更」「期間業務職員のフレックスタイム制」等について、適宜措置内容を明らかにすること。
④ 本年度に実施される「国家公務員の勤務時間の実態に関する調査 ・研究」について、適宜調査結果を明らかにすること。

(3) 休暇 ・休業制度の拡充
① ライフステージに応じ、社会的要請に応える休暇・休業制度に向け、公務における各種制度の利用実態や民間における普及状況を精査・検証し、 制度の改善や環境整備に努めること。 とくに、家族介護を理由とした離職を防止するため、介護休業制度を整備すること。
② 両立支援制度の更なる充実に向けて、昨年の勧告時報告で言及された「育児に係る両立支援制度の対象となる子の年齢の引上げ」「介護に係る制度を利用できる期間等の拡大」「残業免除や子の看護休暇の対象となるこどもの年齢の引上げ」「育児のための両立支援制度を利用できる期間の延長」等について、民間の整備状況や政府の動向を踏まえつつ、遅れることなく整備すること。
③ 妊娠・出産・育児に関わる休暇制度について、休暇を取得しやすい職場環境の整備を行うとともに、民間の動向等を踏まえ、更なる制度の改善を図ること。

4.労働諸条件の改善について
(1)障害者雇用について
本年4月以降、法定雇用率が段階的に引き上げられること等を踏まえ、関係部局とも連携し、勤務時間や勤務場所の柔軟化、勤務環境の改善など、障害を持つ職員がより働きやすい環境の整備に向けた各府省の取組を支援すること。

(2)女性参画の推進及び多様性の確保について
① 女性職員の採用拡大や、積極的な登用等に向け、勤務時間制度の柔軟な対応や、両立支援策の確保、またハラスメント対策の強化など、各種制度の整備を進めるとともに、各府省の取組を支援すること。
② LGBT理解増進法等を踏まえ、職場における性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する理解の増進に取り組むこと。

(3)福利厚生施策の充実について
① 人事院が行った、健康管理体制の充実のための官民調査 (Well-being調査) の結果、健康管理部門と健康管理医との連携がある官署や、健康増進に関する研修・情報提供等の取組を実施している官署が約半数にとどまっていたこと等を踏まえ、各職場における健康管理体制の充実や効果的な健康管理施策の推進に向けた対策を具体化すること。
② メンタルヘルスに関連した長期病休者の数が長期病休者全体の7割を超えていることから、予防、相談、職場復帰支援策等を更に充実・具体化すること。
③ 2022年度に人事院が受けた苦情相談のうち1/3強をハラスメント関係が占める一方で、各府省のハラスメント相談担当者の8割が相談を受けていない等の実態を踏まえ、外部の専門家との連携等人事院における体制強化を図ること。また、幹部 ・管理職員に対する研修を充実させ、指導を強化すること。

5.定年の段階的引上げに伴う各種施策への対応について
(1)高齢職員の増加に伴う中堅・若手職員の昇格の抑制の回避等に向け、各府省における2023 年度の状況を踏まえつつ、今年度以降についても、級別定数の柔軟な措置を図ること。
(2)再任用を希望する職員について、2013年の閣議決定を踏まえ、フルタイムを基本にその希望に応じた再任用を実現するよう、各府省に働きかけること。

6. 非常勤職員等の制度及び待遇改善について
(1)全ての非常勤職員等の給与を引き上げること。
(2)改正「非常勤職員の給与に関する指針」等に基づき、非常勤職員に関する月例給・一時金の支給額や改定時期について、常勤職員との権衡が図られるよう、各府省に対する必要な指導等を行うこと。
(3)期間業務職員のみならず、非常勤職員全体の実態を把握すること。その上で、昨年の勧告時報告に基づく「非常勤職員制度の運用等の在り方の検討」については、非常勤職員制度全体を射程に入れた抜本的な改善を図ること。
(4)非常勤職員の休暇制度等について、常勤職員との均等待遇をはかるため、無給休暇の有給化等の改善を図ること。
(5)非常勤職員制度の改善に関するこれまでの取組を踏まえ、公務員連絡会と十分交渉 ・協議し、作業を進めること。

カテゴリ:ニュース労働条件